飲食店の売上が増えない!儲からない!よくある13の理由

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資金をためて念願の飲食店を開店させても、ぜんぜん儲からないというお店は少なくありません。特に飲食店だと2年以内に閉店するケースは49.7%にもなるため、廃業率が特に高い業種といえます。

しかし、私の経験だと、儲からないお店は本日紹介する13の理由のどれかにあてはまるケースが多いと感じています。なぜなら本日紹介する13の理由は私が実際に聞いた話や、事実に基づくものであり、全国に存在する要因であるからです。

本日は税理士の私が、飲食店の売上が増えないよくある13の理由を徹底的解説いたします。

儲からない理由①立地が悪い(地下、2階3階)

飲食店では「立地が全て」という言葉もあるくらい立地が重要です。当たり前かもしれませんが、この立地を意識できていない経営者が多くいます。例えば、今流行の「居ぬき物件」の場合であったりして、初期費用を抑えられるからといって、そもそも「なんでその物件が空いているのか?」を考えず家賃や初期費用のお得感だけで申し込んでしまうオーナーさんも多いのです。

また、路面店に比べて、地価や二階、三階のお店は認知されずらいので、お店を開業したばかりの時は、お店に入ってもらうまでは、大変です。

筆者の知り合いの社長も「コンセプト」や「メニュー」を練りに練り、初期メンバーの従業員をベテランを集めたお店を恵比寿に開業しましたが、全く儲かっていません。その原因は、渋谷と恵比寿の中間店に場所で知る人ぞ知る場所という、立地だったために、お客がほとんどこなかったためです。

幸いこの店はオーナーの資金が潤沢にあるため、つぶれてはいませんが、初期メンバーが二人抜けるなど、規模を小さくして赤字を抑えた営業をせざるを得ない結果となっています。

儲からない理由②店主の思いが強すぎて何のお店かわからない?!

以前テレビで見たのですが、居酒屋店主が元世界チャンピオンのボクサーで、お店の中にはチャンピオンベルトを飾るなど、ボクシングファンにはたまらない作りになっているのですが、ボクシングファンでなければ、なかなかお店に入りずらい作りになっており、お客が集まっていないという番組を見ました。

しかも、そのお店と同じビルに「スポーツジム」があるため、ビル前の「ボクシング居酒屋」の宣伝張り紙が「スポーツジム」のものを認識されて、通りを通るお客さんがその居酒屋を「居酒屋」という認識すらしていないようでした。

このことからも、わかるように店主の思いが強すぎて、居酒屋とは関係のない飾りつけをしていたり、キャッチコピーをつけると、お客さんからは「はいりずらい」と思われたり、あるいは「ここは飲食店ではない??」と思われる原因となります。

例えば、筆者の知り合いに「カフェ」と「床屋」を融合させたおしゃれなカフェを赤坂に出店した友人がいましたが、中途半端となり、わずか1年で閉店に追い込まれました。また、カフェでお茶を飲むのに「髪の毛」が紛れていないか?不安に思わせる感じもよくありませんでした。

儲からない理由③愛想が悪い

例えばコンビニであれば、多少愛想が悪くても、お客がそこまでの接客を求めていないため、ビジネスが成立します(それでも愛想があったほうがよいですが)。あるいは、とにかく価格が安い、回転率勝負の牛丼店のようなビジネスでも愛想が悪くても、飲食店として成立するでしょう。

しかし、ランチの客単価が700~1000円くらいの飲食店では、回転率ばかりだけでなく、接客が大切になってきます。筆者の体験ですが、青山一丁目に「美味しいカレー屋」があり、1000円とランチにしては高額でしたが、「食べ終わったなら早く帰って」と言われ、二度と行きませんでした。

また、愛想の悪い店は評判がたちやすいものです。もうつぶれたお店なので時効だと思いますが、千葉県市川にある「なか卯」でしたが、高校生アルバイトの愛想が非常に悪く、私が感じただけでなく、多くの周辺サラリーマンが同様のことを不満を漏らしていたようです(このことは友人の美容店から聞きました)。

やはり1年後には閉店し、現在は「松屋」になっていました。このように店員が無愛想だと、低価格メニューのお店でも悪評がたち、閉店の原因となることがあるのです。ちなみに松屋はその後、数年たってますが繁盛しております。

儲からない理由④オーナーの友達や決まった常連ばかり来ている

1年以内にお店がつぶれてしまう大きな理由だと思うのですが、開業したばかりとはいえ、オーナーの友達ばかりが来ているお店は入りにくいものです。せっかく新規さんが来ても、オーナーと友達が身内話をしていると、10坪程度のお店では非常に居心地が悪いモノです。

また、その友達も機転を働かせて、新規客が来た時は、静かにすれば良いのですが、空気を読めない友人の場合は最悪です。開業したてのお店の売上に貢献してくれる友人客は非常に貴重ですが、そればかりに頼ると、新規客が増えづらい土壌を作ってしまうので、オーナーは気とつけるべきです。

儲からない理由⑤売上や経費の管理が雑(いい加減)

飲食店のオーナーであれば、だいたいで良いので毎月の売上と経費を頭に入れておくべきです。

・材料費
・人件費
・光熱費

などの変動が出やすい経費もざっくりで良いので、常に頭に入っていれば、利益が出る損益分岐点を意識しているため余計な支出を防ぐことができるのです。

こういうことが頭に入っていないオーナーは「この一杯はわたしが持ちますよ!」などお客に良い顔をして売上を下げたり、こだわらなくて良い食材まで高いモノを仕入れたりして経費を高くしてしまいがちです。

成功する飲食店であれば、経営者としてのバランスが必要となり、そのバランスをとるために売上や経費をしっかり管理しなくてはなりません。美味しいのに儲からないお店や、お客が来ているのに利益がでない飲食店は、売上や経費の管理が雑なことにも問題があるものです。

儲からない理由⑥美味しくない

美味しいお店だけが成功するわけではありません。味が普通でも店主やスタッフがホスピタリティがあったり、価格が安く立地が良い場合など、飲食店が成功するパターンは様々です。

しかし、それでも一定以上の料理のクオリティーがなければ、リピーターがつきません。美味しくない飲食店の特徴は、店主の味に対する思いが、顧客と離れている場合が多々あります。

例えば名古屋のラーメン屋の店主ですが、出されるラーメンはいつも温度が低く、冷めたいるラーメンでしたが、それを店主にいうと「臭みが出るからこれで良いんだ」と言っていました。

味のプロであるがゆえに、顧客が求めている味のバランスと離れてところにこだわりがあるケースです。美味しくない!というのは意外とプロの料理人である場合にも存在するのです。

儲からない理由⑦優秀な社員・アルバイトがいなくなった

人手不足な世の中ですから、もし優秀なアルバイトや社員を採用することができれば、給与た待遇で報いて、積極的にコミュニケーションをとらなくてはいけません。

私の行きつけのタンタン麺を提供いしていたお店ですが、優れたコックで、絶品のタンタン麺を提供しており、ランチではその地域の名物店の一つでした。しかし、そのスタッフがいなくなると、味も落ちてしまい、客足も遠のき、二年後には閉店となっておりました。

料理人のケースでしたが、接客するスタッフにも言えることで、売上の多くの要因がスタッフのスキルに依存している場合は、こういうケースが多々起きるのです。

儲からない理由⑧お店が汚い

儲からないお店は、店主が掃除を怠けているケースがあります。テーブルを触ると、油でベトベトのお店にはいきたくなくなるものです。また厨房が汚いお店も食欲がなくなりますし、食中毒の原因となります。

凹凸が激しい、壁などはホコリがたまりやすいので、お店の内装を選ぶ際は、掃除のことも考えないといけません。

儲からない理由⑨ボリュームが多すぎる

年配の男性店主に多いのですが、とにかくボリュームを大盛にするお店です。ターゲットが大学生などのお店であれば、問題ないのですが、女性客はご飯の大盛りなどは、カロリーが多いのを非常に気にします。また男性客であっても、昨今は低カロリー食や、糖質制限を行っている方も多いのです。

定量的なデータではないのですが、私の行きつけの定食店はつねにご飯が少なめなのですが、非常に繁盛しています。客にとっても、「ごはん少なめで」と店員にお願いするのは結構なストレスなので、意外と少ない量のお店も繁盛するのです。

今時は「ごはんの代わりにサラダ増量」といったお店も多いので、ボリューム満点が絶対に良いというわけではないのです。

儲からない理由⑩若者向けの店であること(エリアの客層と合わない)

日本で飲食店をやる以上は、少子高齢化社会に突入していることからも、ターゲットの年齢層は若者向けのお店よりも、中高年向けである方が、儲かる可能性は必然的に高くなります。価格が安く、席と席の間は狭くボリュームが多めのお店がお金のない若者向けのお店の代表でしょう。

しかし、肝心のターゲットの若者が少ないエリアだったりすると、中高年が落ち着けないお店のつくりになっており、集客が上手くいかないケースがあると思います。

店主の思いが強く「若いやつに安く、ボリュームのあるものを提供したい!」というお店が、本当に地域に受け入れられるのかは、事前に検討しなくてはなりません。

儲からない理由⑪多くの創業メンバーがいて誰も本気じゃない

私の知り合いに6名のメンバーで、港区にカフェを立ち上げた集団がいたのですが、わずか2年で一人あたり600万円の借金を残して、閉店したお店を知っています。

この6名のうち5名は飲食店のコンサルティングを生業にしているもので、勢いでコンセプトと内装にこだわったお店を開業したのですが、メンバー多いので、誰もが「なんとかなるだろう」と楽観的でした。

その結果、開業から一度も流行ることもなく、借金だけが膨らみ、お店を閉店することになりました。飲食店に限らず、事を成すには「本気でやる」ことが非常に重要になってきますが、メンバーが多かったため、全員が「誰かがなんとかしてくれる」という依存した関係のうちにお店の経営がたちゆかなくなったのです。

儲からない理由⑫立地は良いのだが競合店が強すぎる、多すぎる

駅前の一等地であったり、客足の多い路面店であったりする場合であっても、同じ業態の飲食店が多ければ、よほどライバル店より、味や価格で上回らないと商売は厳しくなります。

私の知り合いの飲食店オーナーは、競合を嫌い、出店する店は必ず、場所が少し奥の悪い場所にお店を出します。その後は、ひたすら接客に力をいれて、1年かけてリピーターを増やして行く必勝法をつかっています。また立地が悪ければ、家賃も抑えられるため、赤字をコントロールしやすいメリットもあります。

どんなエリアもリッチがよければ競合店が多いので、それを避ける成功法もあるのです。

儲からない理由⑬インターネットで宣伝していない

飲食店にはホームページを持たないお店が多いです。なぜなら顧客はお店の名前よりも「飯田橋 パスタ」といった地名やカテゴリー検索を行うため、ホームページが不要なのです。

ただし、経営はバランスにあり、飲食店を立ち上げた当初は「食べログ」に登録して集客をしないと、なかなかお店に新規顧客はつかない場合があります。

ホームページを必ずしも持つ必要はありませんが、集客の具合により、食べログなどの掲載もチャレンジして、リピーターを増やして行かなければなりません。

「食べログは詐欺だからやんない!」「高すぎる!」とお考えの飲食店オーナーもいますが、経営が安定するまでは、どんな努力でもためしてみるべきです。

儲からない飲食店のまとめ

今日紹介した飲食店が儲からない13の理由をあげましたが、一概に言いきれことも多いと思います。例えば①と⑪の理由は矛盾を抱えており、どっちも不正解でどっちも正解ということになります。

つまり、飲食店はお店の料理のクオリティー、雰囲気、価格帯、エリアのターゲット、競合店、材料費、スタッフ教育など、複合的な要素からなっており、飲食店オーナーはバランスを取りながら経営を進めていき、その中で成功を収めて行くものなのです。

とはいえ、儲からないお店には必ず原因があるので、本日あげた13の理由も参考にしてください。

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