飲食専門コンサルタントに依頼する前に知っておくべき5つの手法

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すでに飲食店のオーナであれば、

「売上がいまいち伸びないな~」
「店舗を増やしたいのだけど、どうやって売上をあげていけば・・」

など悩みは多いと思います。自分での経営に限界を感じた時に、頼んでみたいのが飲食店のコンサルタントです。飲食店コンサルタントといっても、コンサル手法が無数にあります。

これから飲食店のコンサルティングを考えている方に、筆者の経験から外観のコンサルティングから、メニュー、集客、リピーターなどの5つの手法を税理士の私が解説いたします。

飲食店のコンサルタントの費用は月額20万円、さらには新規立ち上げサポートで120万円くらいが相場

私の知る限りですが、飲食店のコンサルタントの費用は顧問契約で、毎月10~20万円を支払うタイプの契約と「開業サポート」「既存店のリニューアルサポート」などのプロジェクト単位の契約の月々100~200万円くらい支払うタイプの二つがあります。

◆飲食店の2つのコンサルティングタイプ

・顧問契約型・・・・・・・月々20万円程度
・プロジェクトタイプ型・・1回120万円程度

顧問契約型だと毎月20万円を支払うことができるのは、複数店舗を構えているお店や売上が大きい飲食店に限られますので、多くの方は「プロジェクト型」のコンサルティングを探しているのだと思います。コンサルティング期間は、私の経験だとプロジェクト型は半年くらいの期間の契約のコンサルタントが多いです。

その他にも昨今は「オンラインサービス」や「オンラインサロン」型のコンサルティングも増えており、そういったものであれば、月額数千円~数万円程度と格安でコンサルティングを受けることができます。ただし、オンラインなので、マンツーマンではなく、1(コンサルタント)対 多数(受講者)の形になります。

飲食コンサルティングの5つの手法

では、実際に飲食専門のコンサルティングを受けるとどのようなことが行われるのかを解説いたします。今回はすでに店舗があるという方向けのコンサル解説ですので、立地やブランド戦略などを含みません。

手法①外観や看板のコンサルティング

せっかく、素晴らしいコンセプトの料理であったり、内装だったとしても、通りすがりの人にそれを伝えることができなければ、集客は思うようにいきません。まして家賃の高い路面店であればこそ、歩いている人を引き付ける外観デザインや看板にしなくてはいけません。

料理や接客に自信がある店長やオーナーでも、集客をするためのノウハウがあるわけではないので、こういったことこそ、コンサルタントが力を発揮する分野です。また、外装や店頭で重要になるのはコンセプトだけではありません。お客様の不安を取り除くことです。

お店に入ろうか迷うお客さんの心理は

◆店頭でお客さんが不安に思う事

お客様「値段はいくらくらいだろうか?」
お客様「手ごろな価格ならいいけど・・」

このように値段がはっきりしないことには、お客様はお店に入れなくなります。飲食店オーナーには「値段を店頭で伝えるのはブランディングが毀損してしまう!カッコ悪い」と思う方も多々おり、このような顧客心理をもとにコンサルタントが過去の経験から外観や看板のデザイン案を出すのです。

手法②内装のコンサルティング

内装は飲食店にとっては大きな要素です。単価をあげたいのなら、クローズドキッチンにして内装をおしゃれにしてお客様にリラックスできる空間を提供しなくてはいけません。回転数勝負のお店でしたら、照明を明るくしてオープンキッチンにするなど、飲食店にはお店のコンセプトに合わせた内装というものがあるのです。

また、顧客とスタッフの導線にも気をくばらないといけません。料理や内装が素晴らしくても、通れる幅が狭かったり、トイレまで行きにくかったり、スタッフとぶつかるようなお店にしてはいけないのです。飲食店経験がないオーナーであればこそ、こういったことはプロのコンサルの知見が必要になります。

さらにコンサルタントであれば、必ず提携先の内装屋があります。飲食店の内装は、通常のリフォーム工事店にはノウハウがなく、飲食店や美容店の内装を50店舗以上経験のある内装業者に仕事をしてもらうべきで、そういった業者を知っているのもコンサルタントの価値となります。

手法③メニューや仕入れのコンサルティング

料理メニューで、経験の少ない飲食店オーナーがやってしまいがちなことは「うちはイタリアンだから、あの料理もこの料理も必要だ!」と考えることです。このような考え方ですと、注文の少ない料理の仕入れも行うことになり、注文が少なければ廃棄することになります。

そうならないためにも、メニューにはメリハリが必要です。例えばあまり注文のはいらない料理であれば、思い切って、メニューから外して、その分を売れる「おススメメニュー」の食材の質をあげるなど、不要な仕入れをなくして、損益分岐点を下げて、おススメメニューの質をあげてリピーターを確保するなどの戦略的視点が飲食店経営には必要なのです。

また、経費を下げる材料は徹底的に手を抜くのもポイントです。例えば、冷凍でも新鮮な食材でも、料理にした段階でそこまで料理のクオリティに差がでない材料があれば、そういったものは冷凍ものを積極的に利用するなどのノウハウです。こういった儲かる経営構造のアドバイスも行うのもコンサルティングの仕事の一つです。

また、昨今ですと「インスタ映え」するメニューを作るのも、集客のための一つの手法となっています。

手法④集客のコンサルティング

集客方法は、様々あります。

・ブログ
・ホームページ作成
・SEO(MEO)
・Facebook
・Instagram
・食べログなどのポータルサイト
・ちらし
・地域誌への出稿

どの方法が正しいというよりも、コンサルタントによって、勝ちパターンの集客方法を持っており、その方法が自店やエリアにマッチするか?再現できるか?というところが重要になってきます。ただ、個人的な感想でしたWEBの広告は飲食店や美容店で流行っていはいますが、WEBの特性上、特定の地域よりも全国という単位での広告に強いために、特定のお店に向いている集客方法だと思いません。

食べログなどに出稿すれば、露出は増えるものの、広告費も数万円~10万円もするので安くはなく、また食べログ内の競争も非常に激しいモノがあります。

古い手法ですが、ポスティングやチラシの効果は確かにあります。私の知り合いの飲食店ですが、定期的に住宅街にポスティングを行っていますが、必ず新規さんから反応があると言っております。

このように集客手法はWEBやSNS、ちらしなど様々な手法がありますが、各コンサルタントが得意とする集客手法があるので、まずはその手法の実績と再現性を深く聞いてみるべきです。他の飲食店で成功したからといって、自分のお店で再現できる保証はありません。

手法⑤リピーターを作るコンサルティング

せっかく集客で、新規客増やしても、新規客がリピーターにならなければ高コスト体質になります。

なぜなら新規客の獲得というのは非常にコストと労力がかかります。せっかく来てくれた新規客が「この店は二度目はないな」と思われれば、リピーターにはならず、ずーと新規客を呼ばなくてはならないので、費用と労力が絶えずかかるお店になってしまうからです。

飲食店オーナーは、自分のお店を客観視できないことが多いのです。ですから「お客様が居心地が悪い」と感じるポイントや違和感などを指摘するのがコンサルタントの仕事です。

そして新規客の中には「この店の常連になりたい!」と思う方も出てきます。しかし、お店側がそんなお客様を感知できず放置していれば、どうでしょうか?

例えば私自身の経験ですが、新宿の居酒屋でこんな経験がありました。「お!この店のマスターフレンドリーだし、常連になりたい!」と思って、一週間後に行ったのですが、マスターが常連客と仲良くばかりして、全然相手にしてくれませんでした。その時私は「こんな店二度と来るか!」と思ったものです。

この私の経験でもわかるように、「常連になりたい!」という方はだいたい一週間以内に再訪問してくれるのですが、その時の対応で、そのお客様が「ロイヤルカスタマー」になるか「二度と来ないか」に分かれるのです。業界には潜在ロイヤルカスタマーは二ヵ月以内に3回来る!という法則もあります。

このようにリピーターを増やす仕組みを作るのもコンサルタントの仕事です。またコンサルタントによって、顧客に手書きの手紙を3回送るなどの独自の手法を持つ方もおり、コンサルタントによってリピーターを作る手法も様々です。

まとめ:飲食店に成功の法則はない。相性が良く実績のあるコンサルタントを探そう

ここまで、コンサルタントがどういった手法で飲食店のコンサルティングを行うのか、私の経験から概要を解説いたしましたが、飲食のコンサルティングの面白いところは「絶対に正しい法則」など存在せず、極論、Aという方法で成功した飲食店があれば、真逆のZという方法で成功した飲食店もあり、手法が無数にあります。

これから飲食店のコンサルティングを依頼するのであれば、注意点は下記の3点です。

①自分のお店と近い環境での実績が豊富か?
②その手法に再現性があるのか?
③机上の空論や概念ばかりの綺麗ごとしか言わないコンサルティングではないか?

こういった点を打ち合わせで見極め、最後に自分の相性の良いコンサルティングを選ぶべきです。知り合いの紹介のコンサルタントであれば、安心ですが、自店と近い環境での成功があるのかどうかはしっかり聞いておきましょう。

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