【全解説】自分の目的にあった税理士の7つの探し方と注意点

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「とにかく税理士なんて誰でもいいから安いとこ!」
「税理士から適切なアドバイスを受けたい!」
「評判の良い税理士に仕事を依頼したい!」

税理士の探し方は、インターネットや知り合いの紹介を含め、7つの方法があります。どの方法が一番良いというのではなく

「とにかく安く」
「起業したばかりなので相談に乗ってほしい」
「うちの業界に詳しい人が良い」

などの事業者の税理士に求めるスタンス(考え方)が重要で、それをふまえて、7つの方法には、それぞれに気をつけていただきたい注意点があります。

事前にこういった点を踏まえて、税理士を探さないと「料金は安いけど仕事をほとんどしてくれない!」反対に「たしかに業界に詳しいが、何か依頼すると別料金を請求されてしまう!」といったことになってしまうからです。

本日は、7つの税理士の探し方の全てを紹介するとともに、税理士を選ぶ際の注意点などを解説いたします。

7つの税理士の探し方

では、まず税理士の選び方ですが、下記の7つになります。

方法①インターネットで探す
方法②税理士協会のホームページから探す
方法③知り合いの紹介
方法④親戚の税理士
方法⑤業界のコンサルタントに紹介してもらう
方法⑥保険屋の営業に聞いてみる
方法⑦店舗近くの税理士事務所を探す

この中でも、一番おススメの方法は「②知り合いの紹介」ではありますが、そもそも、そういう知り合いがいない方も多いため、実際のところ「①インターネットで探す」やり方をしている方が多いのが実情です。

私は、ご自身に最高の税理士が見つけられれば、どの方法でも良いと考えていますが、どの方法にも事前に知っておくべき注意点があるので、それを踏まえて探してみるべきだと考えます。それでは一つずつ解説してまいります。

方法①インターネットで税理士を探す

インターネットで「品川 税理士」「千葉 税理士事務所」などと地域名と掛け合わせて、店舗や事務所の近くの税理士を探せば、無数に税理士事務所が出てきます。インターネットで探すときのデメリットはまさにこれで、「情報があり過ぎて、どの税理士事務所にして良いのかわからない!」という点です。

インターネットで税理士を探すので、傾向として下記のような点があげられます。

◆インターネット検索で上位に出てくる税理士事務所の傾向

・ホームページから営業に力を入れていることがわかる
・税理士の写真が掲載されていることがほとんど
・個人ではなく組織であることが多い

つまり、このことから、インターネットで税理士を探すということは「年配の税理士の一人事務所」である可能性が少なくなります。税理士業界は、60代が非常に多く高齢化が進んでおります。高齢の方の税理士には「インターネット」ことが良くわからない方や、高齢ゆえに電話やメールの返信がなかなか返ってこないこともあるので、これから税理士を探す方は、避けておいた方が無難です。※税理士業界の高齢化については下記の記事をご覧ください。

過去記事:【2019年版】プロが税理士業界の現状と今後を徹底解説

そういったことを考えると、年配の税理士にはホームページを持っていない方が多いため、インターネットで探すだけで、フィルターがかかるので、こういった点はメリットと明確に言えるでしょう。

インターネットで税理士を探すときは、下記の3つのことを注意しましょう。※インターネットで探す方法だけにかぎりませんが。

◆税理士を探すときの3つの注意点

注意点①1社で決めない。2社~3社の話を聞いて、相性が良い人にする
注意点②新人と60代以上のご年配は避ける
注意点③返信速度が遅くないか?

インターネットで税理士を探す方法は「ベストな方法」とは言い難いですが、最悪な探し方でもありませんので、まずは2社から3社を問い合わせてみて、相性が良い税理士さんを探しましょう。税理士ドットコムのような税理士紹介サイトで、探すときも基本は同じです。2~3名(社)を紹介してもらい、実際に話して、ご自身との相性をみるべきです。

税理士ドットコム

ただし、税理士紹介サイトは、紹介サイト側が紹介料を税理士や税理士事務所から抜いているため、その費用が上乗せされている場合もあるので、とにかく安い税理士を探す方法としては、注意が必要です。

②日本税理士会連合会のホームページから探す

日本税理士会連合会のホームページ

実は日本税理士会連合会のホームページで、資格をもっている税理士を全て探すことができるのです。ここから探すことで、間違いなく税理士の資格を持った方を探すことができます、下記の検索条件で抽出することができます。

◆抽出項目
・税理士(事務所)氏名
・性別
・地域(市町村区単位でも可能)
・主要取扱業種
・主要取扱業務

※他にも抽出項目はありますが、ここでは主要なものだけ紹介

ですから「情報サービス」「千葉」などという検索することも可能で、ご自身の業界に精通していると思われる税理士や税理士事務所をさがすことができます。

ただし、この税理士検索システムが、結構古いシステムのようでかなり使いにくいインターフェースになっており、項目も細かすぎて、どれが必須項目かわからず、令和時代向けの検索システムではないでしょう。筆者もためしに使ってみましたが、かなり検索しづらいです。

◆日本税理士会連合会のホームページは使いずらい

ですから、このホームページの使い方は、先にあげた「①インターネットで税理士を探す」方法を使って、この検索システムで、「本当に税理士免許持っているのか?」など、税理士資格の裏を取る目的などで使った方が良いと思います。

正直、この検索システムはすごく使いずらいです。

方法③知り合いに税理士を紹介してもらう

もし、知り合いに事業者がいれば、税理士について聞いてみて、評判が良ければ紹介してもらうのは一番良い方法です。さらに、その知り合いの事業者が同じ業界であれば言う事なしです。

ただし注意点があります。

◆知り合いから税理士を紹介してもらう時の注意点

①すぐに決めない、会って話してみる
②安さ重視か?相談重視か?どっち?
③紹介者との関係が悪くなることも

評判が良ければ、悪い税理士に会う可能性は少なくなりますが、まずは会って話を聞いてみましょう。税理士も人間ですから、ご自身との相性があります。ここで言う相性とは、経営や税理に関するスタンスとも言えます。紹介者と馬があっても、自分と合わなければ最悪です。

また、紹介者が注力している点が「安さ」で、あなたが税理士に求める点が「相談しやすいか?」といった場合は、ギャップが生じます。まずは、あなたの税理士を選ぶスタンスをはっきりさせておくべきです。

例えば飲食店なら「まかない料理の税務処理のやり方を知りたい」、インターネット事業なら「旅行メディアを作っているが、旅行先での食事は経費になるか?」など、これから事業をはじめたばかりの人には、慣れていない業界特有の相談事項があるものです。ですから相談することが多い場合に安さ重視の税理士とは相性は最悪になります。

そして、せっかく紹介してもらったのに「失礼な断り方」や「他の税理士に決めて、紹介者に一報もいれない」など行えば、紹介者との関係によっては仲が悪くなることもあります。

また、紹介者が、あなたに隠れて「紹介料」を税理士からとっているケースも多々あり、やっかいなことにその紹介料分を、あなたの費用から余分にとることも世の中にはよくあることですから、紹介者がいるからといって、絶対安心というわけではないので注意しましょう。

方法④親戚の税理士

親戚であれば、相談しやすく、また費用も安くしてもらえるかもしれない方法です。しかし、この方法は、筆者の経験から言うとあまりおススメできません。

税務を人に依頼するということは、お金の流れをすべて知ってもらうということです。税理士には守秘義務がありますが、親戚にお金の流れやお店の状況を把握されるのは嫌なものです。もし、赤字であったり、給与支払いがギリギリという場合など、そんなことは親戚に知られたくないでしょう。

ですから、親戚に税理士がいる場合も、依頼せずに、ご自身で探したり、親戚の税理士が「俺にまかせろ!」と言ってきても、「事業の立ち上げからお世話になっている税理士がいるのでごめん!」とはっきり言っておいた無難です。

余談ですが、「親戚の税理士」というキーワードはむしろ「今の税理士と契約を切りたいけど解約を言いだしにくい!」といった場合に「親戚に頼まれて断れないので、解約させていただきます!」というシチュエーションには、相手を傷つけにくく、断り文句には最適のキーワードになりますので覚えておきましょう。

方法⑤業界のコンサルタントに税理士を紹介してもらう

例えば、美容室の経営者であれば、一人で独立をはじめるより、美容業界のコンサルに開業支援をしてもらうことは良くあります。その際にコンサルタントから税理士を紹介してもらうケースです。このケースの特徴は、たいていの場合は、業界のコンサル経由の紹介になるため、あなたの業界に詳しいため頼りがいがあります

例えば「この規模の店で、月額売上が150万達成できているで、上手くいっている方です」と他の店舗の売上データを把握しているため業界に通じているので、数字のデータから適切なアドバイスをもらえるでしょう。

この手法のデメリットを強いていえば、仲介者のコンサルタントは、税理士とがっりち提携していることが多く、たいていは紹介料をとられています。そしてその紹介料の原資はあなたからになるので、費用感を他の税理士事務所と比べてしっかり把握するこや、事業の順調に進んで、数年後にはその税理士に相談することがなくなれば、安い税理士に変更するなどするのも手です。

ただ、信頼ができるのであれば、長期的に付き合うのも一つの手です。

方法⑥保険屋に紹介してもらう

誰でも生命保険やがん保険などに加入しているでしょう。実は保険屋は、税理士と提携しているケースが多々あり、保険屋は税理士にお客さんを紹介し、税理士は税理士で保険屋にお客さんを紹介するなど、相互にお客さんを紹介をしていることがよくあるのです。

なぜなら、税理士の節税や事業のリスク軽減の観点から、保険の加入を助言することもあり、保険屋もお客さんから「税理士探している」という相談を受けることがしばしばあるからです。

この方法はメリットは特になく、強いて言えば「誰でもいいから税理士を紹介してほしい」ときに使うくらいなもので、この方法で良い税理士にあたる可能性は未知数です。

業界的には保険屋にはお客さんからいろいろな相談が寄せられ、特に「今の税理士がもうおじいちゃんで、若い人に変えたい。。」といった要望が結構あるようで、保険屋は40代の若い税理士と提携することで、お互いにお客さんを紹介しあっているようです。

この方法だと、良い税理士かどうかはわかりませんが、紹介してもらうのなら、先ほども紹介しましたが、下記の点は注意しておきましょう。

◆税理士を探すときの3つの注意点

注意点①1社で決めない。2社~3社の話を聞いて、相性が良い人にする
注意点②新人と60代以上のご年配は避ける
注意点③返信速度が遅くないか?

方法⑦店舗近くの税理士事務所を探す

東京などの都心なら、駅前など歩いて看板をみていると結構、税理士事務所がありますので、ご自身の店舗やオフィスの近くの税理士事務所に仕事を依頼する方法があります。しかし、今の時代当たり前ですが、下記の点は注意してみましょう。

◆近くの税理士事務所に相談する前にやっておくべき事

①ホームページは存在するか?
②税理士の顔がホームページから見えるか?
③自分の事業業種に対応しているか?
④対応は丁寧か?早いか?

もし、税理士事務所の店舗はあっても、ホームページがない場合は、ご年配の方が、一人で切り盛りしている場合が多く、やはり税務は時代によって変わりますし、インターネットのような新しい要素が加わりますから、その辺に疎かったり、勉強不足の税理士は避けなくてはなりません。

近くの税理士事務所の場合、何かあった場合、事務所で直接相談しやすいメリットがありますが、ホームページがない場合は避けておいたほうが無難です。

まとめ

本日は7つの税理士の探し方を解説しました。まとめますと

✔年配の税理士は避けよう
✔人間関係の縛りがない税理士を選ぼう
✔自分のスタンスと会う税理士を選ぼう
✔自分の業界に詳しい税理士を選ぼう
✔解約することも念頭に入れて契約しよう
✔ホームページがある税理士事務所にしよう

ということになります。この点を踏まえることができるなら、どの方法でもOKです。そしてほとんどの方は、インターネットで税理士を探すことになるのですから、税理士のホームページをよくチェックしてみてください。できれば1社だけでは決めず、2社から3社に会って決めましょう。

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